2012年1月31日火曜日

保護池の水温測定


このところ寒い日が続き、井の頭池にも氷が張っています。在来魚の保護池はとくに凍てつくようで、そこの氷は午後になっても融けません。保護池のモニタリングを引き受けている我々としては魚が心配なので、今日、保護池の水温を測定してみました。午前10時半ごろ、日向と日陰の計三箇所で測定したところ、水面(氷面)が0.6~2.2℃、水底が3.3~5.7℃でした。測定のために割った氷は厚さが6mmありました。はたして夜中の気温はどこまで下がっているのでしょうか。

保護池の水温が低いのは水位が下がっていることが一因と考えられるので、水位をもっと上げてもらえるよう西部公園緑地事務所の管理課に要望しました。職員が神田川への出口の堰板を頻繁に外して池の水を流出させているのは、富栄養化した水をできるだけ排出するためですが、冬の間はとくに必要がないことだと思います。

西園プールから引越しさせたモツゴはほとんどが稚魚だったので、極低温の保護池で春まで生き延びられるのか心配です。できれば一部を春まで屋内で飼育できれば安心なのですが、そのプランが実現していないのは残念です。

2012年1月14日土曜日

解説ボランティア養成講座


今日は井の頭公園でNPO法人生態工房の「解説ボランティア養成講座」があり、その参加者の皆さんが我々の活動を見学に見えました。解説ボランティアとは、外来魚問題を一般の人に分かりやすく解説するボランティアのことです。今日の講師の一人を井の頭かんさつ会で解説に力を入れているUが務めました。

我々の今日の活動は、お茶の水橋下の追い込み漁、ひょうたん池でのガサガサ(網による捕獲調査)、保護池の落ち葉掃除でした。講座の参加者の皆さんは獲れた魚のカウントと記録などを担当してくれました。写真は、保護池の岸に我々が掬い上げた落ち葉の中に紛れ込んでいるモツゴの稚魚を救出してもらっているところです。

講座参加者の皆さんはその後会議室に移動し、解説プログラムの作成などに取り組んだそうです。今日の参加者は17名だったそうで、いずれも熱心な人たちでした。その中から実際のボランティア活動に踏み出してくれる人が出てくることを願っています。そういえば、今日講師を務めたUは、2009年に生態工房が実施した講座で我々の活動を見学に来てくれた参加者の一人でした。

2012年1月7日土曜日

かい掘りのお手伝い


横浜市鶴見区にある神奈川県立三ツ池公園の下の池のかい掘りが7日~9日の三日間をかけて行われています。井の頭かんさつ会からも、今日、7名がお手伝いに行ってきました。三ツ池公園では、上の池は2009年に、中の池は2011年にかい掘りを済ませています。我々は上の池のときも行ったのですが、最後の下の池もぜひお手伝いしたいと考えて参加しました。計画作りが進められている井の頭池のかい掘りのためにノウハウを学んでおくのも目的です。さすがに三回目のかい掘りとあって、事前の準備、人員の配置や進め方など、参考になることがたくさんありました。

今日7日はコイなど大型魚の捕獲が中心でしたが、小魚のモツゴがブルーギルの7倍ほどいたのが印象的でした。三ツ池も最初は井の頭池と同じく外来魚ばかりで在来魚は絶滅寸前でした。しかしその後、冬季を除く毎月二回、一般市民が参加できる、釣りなどによる外来魚駆除を続け、最近は1回に3百人以上が参加する大規模な活動に広がっていました。その成果が現れていたのです。ただしそれでも、ブルーギルはまだかなり残っていたので、駆除活動をやめればすぐに数を回復してしまうでしょう。完全解決にはやはりかい掘りしかないのです。

全国で外来魚問題の解決のため活動している団体は、他の団体と情報交換したり手を貸し合ったりして活動を進めています。我々も活動を始めたときは外来魚をどうやって獲ればよいのかさえ知りませんでした。しかし三ツ池の人など、いろいろな人や団体から教えを受けたお陰で、井の頭池に合う方法を開発できるようになりました。