2012年10月15日月曜日

パタゴニアVYC2012の結果

パタゴニア吉祥寺ストアから、今年のボイスユアチョイスの結果をお知らせいただきました。吉祥寺ストアでの投票総数は369票で、そのうち「井の頭かんさつ会」の得票が197票、「たまあじさいの会」は172票だったそうです。つまり今年は井の頭かんさつ会が1位になったのです。

1位と2位とでは助成金の額に少し差が付きます。たまあじさいの会の活動は資金が必要な活動なので我々は2位でよいと考えていたのですが、そうはなりませんでした。吉祥寺ストアの投票数の目標が350票だったそうで、それを達成するためにストアのスタッフの皆さんが頑張っていただいたようです。その結果、地元の利もあって、我々への投票が増えたのではないかと思います。

井の頭かんさつ会に投票いただいた皆さん、ありがとうございました。ご期待にお応えすべく、助成金を有効に活用して、自然環境保全活動や自然観察会をさらに充実させていきたいと考えています。

写真は9月22日(土)に吉祥寺ストアで行われた「グラスルーツテーブル」のようすです。我々は井の頭池の生き物を連れて行き、来店者や通りかかった皆さんに見てもらい、井の頭池の現状を説明しました。

2012年9月10日月曜日

パタゴニアVYC2012

パタゴニアの「ボイス・ユア・チョイス2012」が始まっています。各ストアが助成団体を二つ選び、その活動内容を紹介して、どちらを応援したいかを来店者に投票してもらうものです。得票が多いほうに多くの助成金が出ます。

吉祥寺ストアでは昨年同様、「井の頭かんさつ会」と「たまあじさいの会」の間で投票が行われています。写真のように、店内に両団体の活動内容などの掲示と投票箱が置かれており、来店者は来店1回につき1票の投票が可能です。投票期間は8月28日(火)~10月3日(水)です。

井の頭かんさつ会は昨年からVYCに参加しているのですが、パタゴニアの環境活動助成は単に助成金が出るだけでなく、我々の活動をストアで継続的に紹介していただいたり、スタッフの皆さんに我々の活動に参加していただいたりと、サポートが手厚いのでとても助かります。それらに加えて、今年の4月にはレインウェアとしても使えるアウターウェア上下を10着提供いただきました。外来魚の繁殖抑制は雨の日も休めないので、パタゴニアのウェアのお陰で雨の日の機動力が増しました。我々は、そういう手厚い助成を最大限に活かして、活動をさらにパワーアップして行きたいと思います。

ぜひあなたも吉祥寺ストアを訪れ、二つの団体の活動を知り、投票してください。

なお、9月22日(土)には、両団体がテーブルを並べて自分たちの活動について紹介する「グラスルーツテーブル」が行われます。我々は井の頭池の生き物を展示して、池の現状をお知らせしたいと考えています。グラスルーツテーブルもぜひ見にきてください。

2012年4月14日土曜日

外来魚活動の同志募集



雨の中、今年度二回目の、バスの産卵チェックを行いました。魚は雨でも繁殖を休んだりしないので、繁殖抑制活動もバスの都合に合わせて行う必要があります。それに、バスの卵は3日ほどで孵化してしまうため、繁殖を抑え込むには週2回の産卵チェックが必要です。

今日は、今年度初めて産卵が見つかりました。しかも4箇所です。このスタートダッシュを見ると、はたして池のバスが減っているのかどうか疑問です。その答えはおいおい出ることになるでしょう。

今年は、昨年まで力を入れて来なかった、産卵床で卵を守っているオス親を効率よく捕獲する方法も研究したいと考えています。それがうまくいけば、より効果的な繁殖抑制になると思います。



産卵床になっている土管(沈床)に渡るには、腰のあたりまで水深のある池を歩いていくので、女性など背が低い人には無理です。また、並んだ土管の上を歩くのは、年配者にはちょっと不安があります。というわけで、人手が不足気味です。

我々と一緒に繁殖抑制活動をしていただける人を募集しています。もちろん、池に入らなくてもできる活動もありますので、女性でも年配の方でも歓迎します。

ご興味のある方は、ぜひ見学にお越しください。繁殖抑制活動は毎週水曜と土曜の11時から2時ごろまで行っています。(変わることもありますので、事前にお問い合わせください。) ご連絡は井の頭かんさつ会代表 田中利秋
(メール:tnt-lab@nifty.com、TEL:090-7234-0570)までお願いします。

特典は、井の頭池とそこの生き物のことがよく分かることです。井の頭池をもっと良くするために、ぜひご協力ください。

2012年4月4日水曜日

後を絶たない無断放流

今日は万一バスに産卵の兆候が見られた場合のための予備日でしたが、少人数で保護池の手入れを実施しました。水の循環を改善するため水の出入り口の網を掃除する必要が出てきたからです。ついでに、保護池の水面に浮かんでいる落ち葉やゴミの除去も行いました。それだけの作業だったのに、発見がいくつかありました。

掬った落ち葉の中から、トウヨシノボリが1匹見つかりました。先日の調査では1匹もカゴワナに入らなかったので心配していたのですが、少なくとも絶滅はしていないことが分かったわけです。それは良い発見でした。


悪い発見もありました。保護池の柵とひょうたん橋(太鼓橋)との間で、写真の水草が見つかったのです。いずれも切れ端で、長いほうはオオカナダモです。ペットショップなどでは「アナカリス」という名前で売られています。繁殖力が強いので、要注意外来生物に指定されています。短いほうはこれも外来水草のハゴロモモのようです。こちらは「カボンバ」という名前で売られていて、野生化しているところもあるそうです。いずれも「金魚藻」としてよく使われています。外来の水草を池に捨てること自体問題なのですが、魚か何か、水槽で飼っていた生き物を水草と一緒に持ってきて、池に放した可能性が高いと思います。そうならもっと問題です。それと関係があるかどうか分かりませんが、外来種の巻貝「サカマキガイ」を井の頭池で初めて見つけました。保護池の柵の内側でです。

池の生き物の調査をしていると、金魚やヒメダカ、グッピーなど、明らかに元ペットだと分かるものがしばしば見つかります。飼っていた生き物を井の頭池に捨てる人が後を絶ちません。もっと見分けがつきにくい生き物もたぶんいろいろ放されていると思います。池で増やそうと無断放流する人もいるようです。もしそれが繁殖を始めるとコントロールできなくなり、池の生態系が大きく変わってしまいます。絶対にやめてもらいたいものです。

我々はすでにいる特定外来生物の駆除をボランティアで続けていますが、新たに無断放流/放逐された生物の駆除はボランティアとはいきません。放した人に作業費を請求します。

2012年3月24日土曜日

保護池の調査

今年度最後の活動日です。雨が止み気温が17℃ぐらいに上がるとの予報だったので、産卵前のバスの手釣りを試みる予定でしたが、天候の回復が遅れて雨が上がらず、気温も9℃止まりでした。そのため、保護池の調査と掃除を中心に活動しました。


保護池に練り餌を入れたカゴワナを4個沈め、30分ほどしてから上げると、モツゴがたくさん入っていました。写真が獲れた魚全部です。稚魚だけでなく、大きな成魚も混じっています。冬の間池が何度も凍りついたので心配していたのですが、モツゴは私が思っていたよりたくましいようです。

しかし、一緒に西園プールから引越ししたトウヨシノボリは一匹もカゴワナに入りませんでした。トウヨシノボリは冬を越せなかったのか、それとももっと水温が上がらないと動き出さないのか、水温が上がってから再調査したいと思います。


その後、保護池に入り込んでいる落ち葉と落ち枝を掃除しました。花見の時期を控えて見た目が悪いのと、それらが腐ると水質が悪化する恐れがあるからです。掃除後は写真のようにすっきりしました。ただ、水温が低く、魚が潜り込んでいたため、池底に沈んでいる落ち葉の除去は諦めました。

保護池は外来魚が侵入しないよう厳重に仕切られているため、水の循環が十分とはいえないようです。今後水温が上がると落ち葉の腐敗が進み、水質がさらに悪くなる心配があります。対策が必要です。先日の協議会で、現在近くに放出されている地下水を保護池まで導くよう提案しました。検討するとの返事でした。その他に、水質浄化用の炭素繊維を入れる、水草を植えるなどの案も出ました。いずれか効果のある方法が実現することを願っています。

2012年2月28日火曜日

三ツ池公園「下の池」かい掘りのようす

1月の7~9日に行われたかい掘りの動画がYouTubeにアップされたと連絡をいただきましたので、ご紹介します。
県立三ツ池公園「下の池」掻い掘り活動2012年1月7日、8日、9日

7日にお手伝いに行った我々のメンバーの活躍も収録されています。

2012年1月31日火曜日

保護池の水温測定


このところ寒い日が続き、井の頭池にも氷が張っています。在来魚の保護池はとくに凍てつくようで、そこの氷は午後になっても融けません。保護池のモニタリングを引き受けている我々としては魚が心配なので、今日、保護池の水温を測定してみました。午前10時半ごろ、日向と日陰の計三箇所で測定したところ、水面(氷面)が0.6~2.2℃、水底が3.3~5.7℃でした。測定のために割った氷は厚さが6mmありました。はたして夜中の気温はどこまで下がっているのでしょうか。

保護池の水温が低いのは水位が下がっていることが一因と考えられるので、水位をもっと上げてもらえるよう西部公園緑地事務所の管理課に要望しました。職員が神田川への出口の堰板を頻繁に外して池の水を流出させているのは、富栄養化した水をできるだけ排出するためですが、冬の間はとくに必要がないことだと思います。

西園プールから引越しさせたモツゴはほとんどが稚魚だったので、極低温の保護池で春まで生き延びられるのか心配です。できれば一部を春まで屋内で飼育できれば安心なのですが、そのプランが実現していないのは残念です。

2012年1月14日土曜日

解説ボランティア養成講座


今日は井の頭公園でNPO法人生態工房の「解説ボランティア養成講座」があり、その参加者の皆さんが我々の活動を見学に見えました。解説ボランティアとは、外来魚問題を一般の人に分かりやすく解説するボランティアのことです。今日の講師の一人を井の頭かんさつ会で解説に力を入れているUが務めました。

我々の今日の活動は、お茶の水橋下の追い込み漁、ひょうたん池でのガサガサ(網による捕獲調査)、保護池の落ち葉掃除でした。講座の参加者の皆さんは獲れた魚のカウントと記録などを担当してくれました。写真は、保護池の岸に我々が掬い上げた落ち葉の中に紛れ込んでいるモツゴの稚魚を救出してもらっているところです。

講座参加者の皆さんはその後会議室に移動し、解説プログラムの作成などに取り組んだそうです。今日の参加者は17名だったそうで、いずれも熱心な人たちでした。その中から実際のボランティア活動に踏み出してくれる人が出てくることを願っています。そういえば、今日講師を務めたUは、2009年に生態工房が実施した講座で我々の活動を見学に来てくれた参加者の一人でした。

2012年1月7日土曜日

かい掘りのお手伝い


横浜市鶴見区にある神奈川県立三ツ池公園の下の池のかい掘りが7日~9日の三日間をかけて行われています。井の頭かんさつ会からも、今日、7名がお手伝いに行ってきました。三ツ池公園では、上の池は2009年に、中の池は2011年にかい掘りを済ませています。我々は上の池のときも行ったのですが、最後の下の池もぜひお手伝いしたいと考えて参加しました。計画作りが進められている井の頭池のかい掘りのためにノウハウを学んでおくのも目的です。さすがに三回目のかい掘りとあって、事前の準備、人員の配置や進め方など、参考になることがたくさんありました。

今日7日はコイなど大型魚の捕獲が中心でしたが、小魚のモツゴがブルーギルの7倍ほどいたのが印象的でした。三ツ池も最初は井の頭池と同じく外来魚ばかりで在来魚は絶滅寸前でした。しかしその後、冬季を除く毎月二回、一般市民が参加できる、釣りなどによる外来魚駆除を続け、最近は1回に3百人以上が参加する大規模な活動に広がっていました。その成果が現れていたのです。ただしそれでも、ブルーギルはまだかなり残っていたので、駆除活動をやめればすぐに数を回復してしまうでしょう。完全解決にはやはりかい掘りしかないのです。

全国で外来魚問題の解決のため活動している団体は、他の団体と情報交換したり手を貸し合ったりして活動を進めています。我々も活動を始めたときは外来魚をどうやって獲ればよいのかさえ知りませんでした。しかし三ツ池の人など、いろいろな人や団体から教えを受けたお陰で、井の頭池に合う方法を開発できるようになりました。