2011年11月13日日曜日

モツゴ引越し


「井の頭外来生物問題協議会」の全団体と工事業者により、西園プールで増えていたモツゴとトウヨシノボリを、新しくできた保護池に引越しさせる作業を行いました。 ひと月ほど前から数回、西部公園緑地事務所の担当者と我々で、カゴワナなどを使ってあらかじめ捕獲をしていました。さらに9日には、試行を兼ねて、幼児プールのかい掘りも実施しました。今日は25mプールの水を抜いて、残っている魚をすっかり捕獲し、これまでに獲っておいた魚を含め、全部を引越しさせます。

西部公園緑地事務所担当者の指揮の下、業者が排水を担当し、西部事務所、井の頭かんさつ会、吉祥寺ライオンズクラブ、神田川ネットワークの面々が魚の捕獲と仕分けを行い、職員がそれをひょうたん池まで車で運びます。ひょうたん池で待つ生態工房の人たちがそれを受け取り、水温差に慣らしてから保護池に放します。生態工房は、外来魚と在来魚を展示して、来園者への啓発活動も実施しました。

写真はプールでの捕獲作業のようすです。プールの底には藻類を主成分とする「泥」が溜まっていて、水が減るとトロトロになるため、泥の中の稚魚を見つけるのも、それを泥の中から救い出すのもとても大変でした。(でも、外来魚を捕まえるのよりはずっと楽しい作業でした。) 魚のほかにオオヤマトンボなどのヤゴも見つかり、一緒に保護池に引越しました。

9時半に始まったイベントは午後4時に終了。あとは保護池の水位を上げれば引越しは完了です。その後は、保護池で在来生物が無事に育っているか、外来生物が入り込んでいないかなどをときどきチェックする必要があります。そのモニタリングは我々井の頭かんさつ会が担当します。

今回は、協議会の全団体がそれぞれの力を結集して実施した久しぶりのイベントでした。しかも、井の頭公園の管理者である西部公園緑地事務所が、井の頭池の外来生物問題を解決するという目標を見据えて主導した工事とイベントです。現在、井の頭池本体のかい掘り実現に向けて検討が進んでいます。我々が現状調査と啓発を目的に活動を始めたのが2007年の7月、活動は、問題の解決を訴える段階から、実際に問題を解決する段階に入りました。

2011年11月12日土曜日

在来生物保護池


解体されることになった西園プールに代わる在来生物の避難場所ができました。井の頭池の末端・ひょうたん池を半分に仕切って、在来生物の保護池としたのです。新たな避難場所についてはいろいろな案が出たのですが、結局、それほどは費用がかからず、管理も比較的容易な、ひょうたん池に作ることに決まりました。

ひょうたん池を保護池にする場合に重要なことは、そこにいる外来魚を完全に駆除することです。新保護池のかい掘りが仕切りの工事と並行して実施されました。周りに土嚢を積んで水をせき止め、ポンプで保護池の水を抜いて魚を捕獲します。最初の9日は我々も捕獲に加わりましたが、水がだいぶ残っていたため、一部しか獲れませんでした。その後、今日まで連日、工事業者と西部公園緑地事務所の担当者が頑張って、ほぼ魚を獲り切りました。写真は今日の捕獲作業のようすです。

私は二日分しか見ていませんが、狭いエリアにもかかわらず、じつにたくさんのブルーギル(おもに幼魚)が獲れました。オオクチバスの成魚と幼魚が数匹、アメリカザリガニも数匹獲れました。そのほかには、ギギの成魚と幼魚が1匹ずつ、ヌマチチブが数匹見つかりました。在来種はトウヨシノボリとテナガエビが少しずついましたが、モツゴとスジエビは1匹も見つかりませんでした。これが井の頭池の縮図だとするとショックです。この保護池で在来種が増えてほしいものです。

プールのモツゴとトウヨシノボリの引越しは、いよいよ明日です。